25歳になってみたら死ぬ黒歴史

今見返すと卒業文集痛いでしょ?そんなもん。

大都会東京シリーズ3

いつもより遅い登校時間。いつもは満員のこの電車も今日は端に座れるほど空いていた。この電車にはほぼ同じ高校の同級生しか乗っていない。少しは話したことあるがほとんど話したことない人ばかりなのでスマホに目を向けて最寄り駅まで向かう。

今日は最後の登校日。

仲のいい友達はほとんどが自転車通学で私はみんなより少し遅れて教室に入る。

軽く朝の挨拶をすませ、卒業式を迎える。

泣いてるやつもいたけど、私は泣かなかった。

泣かなければいけないという空気感が嫌になったのかもしれないし、単純に思い出とかそういうことに浸れる能力を持ち合わせていないのかもしれない。

呆気なくおわった式典。

アルバムの空白がみんなの文字で埋まっていく。クラスで写真を撮って、仲のいいやつらと所謂打ち上げをした。

10時くらいまで遊んで、いつもの電車で帰る。

 

私はその電車で涙を流していた。

式の時に涙を流さなかったのは、実感がわかなかっただけだ。色々あった高校生活が、走馬灯にように蘇る。自分は幸せだった。いや、これからも幸せでありたい。

日常が終わるという実感がこれほどまでに悲しいとは思わなかった。

窓に映る自分を見て、涙はすぐにひいた。

家の近くのビル群が見える。あそこに行けば自分の高校生活が本当に終わる。そんな気がしながら、電車を降りた。

 

ここは大都会東京、出会いと別れが混在する町